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第9回
株式会社三栄 (神戸市兵庫区材木町1番2号)
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こんにちは牧牛(ぼくぎゅう)です。
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今回の訪問先は神戸市兵庫区材木町1-2の
株式会社三栄さん、 応対して下さったのは社長の服部鋭治さんです。
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服部鋭治社長
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牧牛は大阪人です。 大阪には材木(木材)という名が住所表示に入っている地域は、 牧牛の知る限り三ヶ所あります。 一番目は大阪市中央区材木町です。 太閤さんの時代から栄えた大阪の中心部に位置し東横堀川が流れ、 かつてはたくさんの材木屋さんが軒を連ねていたそうです。 大阪で一番古い材木屋さんと言われる 「そげ重商店」さんや「今九」さんが今も営業されています。 2番目は堺市美原区の工場団地、住所は美原区木材通。 3番目は岸和田市の木材コンビナートの岸和田市木材町です。 また、木材に関連した住所では摂津市に鳥飼銘木町があります。
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(株)三栄さんの会社の裏には 日本で一番大きい運河とされる兵庫運河(新川運河)が流れ、 表の真向かいには神戸百年記念病院(元鐘紡記念病院)があります。 「材木町の名の通りかつては10数軒の材木屋さんがあったが 今ではウチだけになってしまった」 と服部社長。
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早速、三栄さんのルーツから伺いました。 創業者は服部孝一さん。 現社長の祖父に当たります。 孝一さんの出身は尾張一宮。 東邦ガス勤務を経て、戦前神戸に出て港湾荷役の仕事に従事し、 「神戸の材木屋さんの第8回」に登場した 清水さんや道端さんらと懇意になったそうです。 昭和6年、梱包・荷役業の服部組を創業されました。 戦後の昭和25年に合資会社三栄木工所を設立、 昭和41年同社の不動産部門を合資会社三栄興産とし、 木材部門として株式会社三栄が設立されました。 三栄の「三」は出資者が三人、 そして栄えるように、 との意図だったそうです。 二代目はお父上の服部博孝氏。 そして三代目が現社長の鋭治さんです。
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鋭治社長は昭和25年1月生まれ。 須磨高校から龍谷大学経営学部に進み、 卒業後すぐに家業に就かれました。
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初代は梱包、 二代目は米材、南洋材の丸太を扱う問屋業、 そして三代目の鋭治社長はドイツEGGER社の メラミン貼パーティクルボードの直輸入に取り組みました。 夫々が新規事業を立ち上げた起業家です。 それどころか初代、二代の事業を発展させつつの起業家です。 服部社長は今もなお、原木丸太や製材品、現地挽を扱い製材業も営んでいるのです。
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製材所
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製材の話に移ります。 鋭治社長の叔父上が営んでいた兵庫製材(工場は本社に隣接)を 阪神大震災後に(株)三栄が運営し始めたそうです。 工場内を見学しましたが大きな製材機(台車)が数台ありました。 太い丸太が挽けるのです。 「弊社は色物しか扱わないから大台車が必要なんです」 と服部社長。 色物とは業界用語で高級材のこと。 柱や梁は隠れて人の目に触れないケースが多いが建具材などの内部造作材は人目に触れます。 人目に触れる木目の美しい木材の総称を業界では色物(役物)と呼びます。 一般的に細い丸太は色物ではありません。 少なくとも尺5(45センチ)〜2尺上(60センチ)以上の木が重宝されます。
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製材所内(大きな台車です)
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三栄さんは神戸で初めてスプルースの丸太を扱った問屋さんだそうです。 スプルースという木はカナダ・アラスカ産の色の白い木で建具材に最適です。 加えて大径木が多い。 余談ですがピアノの響鳴板には最高級のスプルースが使われています。 ヤマハではスプルースのことを「アラスカヒノキ」と呼んでいました。
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なぜ、ドイツのパーティクルボードに着目したのか? 質問しました。 「15年ほど前から丸太が入らないムードになってきた。 このままではあかん。 次はパーティクルボードかMDFの時代が来ると思った。 商売にするには商社が扱わないものをやらないと生き残れない。 それにはパーティクルボードしかない、と決めた。 パーティクルボードはドイツが発祥の地。 1ヶ月かけてドイツ全土を回った。 そしてEGGER社にたどり着いた。 ドイツから直輸入して全国に販売している。 キッチンメーカー、家具屋、建具屋、それにネット販売も行なっている。」
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倉庫内
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またまた一般の方には馴染みの薄い言葉が出てきましたね。 少し説明を加えます。 まず「MDF」とは 木材を繊維状にほぐし、接着剤などでボードに成型した「繊維板」の一種です。 Medium Density Fiberboardの略。 「パーティクルボード」は 木材の木っ端を接着剤と混合して熱圧成型した木質ボードの一種。 このほかにも「OSB」という木質ボードが最近日本でもよく目に付きます。 Oriented Standard Boardの略で、 低質の広葉樹を使い、薄い削片状にしたものを積層・接着したボードです。
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服部社長の信条を伺いました。 「ネバー・ギブ・アップ!
これしかない。 木質系で飯を食べている数少ない材木屋だと自負している。 絶対に諦めません。」
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さらに一般の方に向けて発信願いました。 「一般の方にもっと本物の木の良さを知ってもらいたい。 その一助として当社に木のサンプルルームを併設した。 ありとあらゆる木のサンプルを展示している。 いつでも見に来て欲しい。 神戸の木材青年会の連中もよく木の相談に来る。」
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サンプルルームでの服部社長
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他がやっていないことをやる。 他が止めたこともやっている。 商売にとって売り先は努力次第でなんとかなるが仕入先が途絶えたらこたえる。 幸なことにメインの仕入先が残っている。 チームや仲間がいつも助けてくれる。 有難いことです。
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趣味の話に移ります。 「マラソンだと聞いていますが…、」 と持ちかけました。 ところが 「スポーツ全般かな。セイリングもスキーも大好きや」 とマラソンの話に乗ってきません。 というのも趣味の域を超越しているからだったのです。 年2回フルマラソンに出場するそうです。 42.195キロですよ。 春は篠山マラソン、秋は福知山マラソン。 現在、神戸の「しあわせの村」で ランニングチーム(50人程度)を結成して練習に励んでいるそうです。
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牧牛と同い年の服部社長は痩身長躯で長距離向きの体形ではありますが還暦です。 牧牛なんか全く運動不足、100メーターも走れません。 尊敬とともに感心しました。
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服部社長、長時間ありがとうございました。 牧牛もネバー・ギブ・アップで頑張ります。
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取材日:2010年7月26日
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株式会社三栄:ホームページ
http://www.sanei-kobe.co.jp/index.html
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